NCCでは、次世代燃料電池自動車(FCEV)向け水素タンク等に使用される複合材料の高度加工を実現するため、株式会社富士インダストリーズ様からのご寄付により、ドイツCevotec社製「Fiber Patch Placement System Cevotec SAMBA PV」を国内およびアジアで初めて導入いたしました。
本装置は、炭素繊維強化複合材料(CFRP)テープをパッチ状にカットし、ロボットアームで自動積層する最先端技術を搭載しています。従来装置と比較し、繊維方向の自由なコントロールや曲面への高精度な貼り付けが可能となり、部材の強度を保ちながら軽量化・コスト低減を両立できます。
特にFPP技術は、水素タンクのドーム部分の補強工程を自動化することで、さらなる軽量化やコスト削減、CO₂排出量の低減にも貢献します。また、航空宇宙や自動車分野など幅広い応用が期待されています。
本装置は外部利用も受け付けており、FPP技術に関する技術相談も承っておりますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
3月17日には、株式会社富士インダストリーズ様への感謝状贈呈式とともに、関係者や報道関係者向けに装置の公開を実施しました。
センター長の吉村彰記は「水素タンクの軽量化・コンパクト化を通じ、より快適な燃料電池自動車の普及と社会への貢献を目指す」と抱負を述べています。